甲状腺

概説

  • 英名:thyroid
  • 動物の咽喉頭部に近い気管側部に付着するように存在する内分泌器官
  • 甲状腺ホルモンであるサイロキシンを主に分泌し、動物の成長や成熟に大きく関わっている。また、カルシウム代謝に関与するカルシトニンも産生、分泌している。

解剖・組織

  • 咽喉頭部に近い気管外側に左右一対存在。
  • 成犬でおよそ5cm×1.5cm×0.5cmほどの大きさがある。
  • 組織学的には、濾胞構造およびそれを取り巻く傍濾胞細胞などによって構成される。
  • 濾胞内には濾胞細胞から分泌された好酸性分泌液であるサイログロブリンが充満している。

関連するホルモン


合成、分泌

<甲状腺ホルモン(T4)の合成、分泌>
  • T4(サイロキシン、チロキシン)の合成
    甲状腺組織内にある濾胞細胞によって、サイログロブリンが合成され、濾胞内に貯蔵されている。TSHの刺激によって、サイログロブリンが濾胞内から濾胞細胞へと取り込まれ、T4へと合成、血液中へ分泌される。

<カルシトニンの合成、分泌>
  • 甲状腺の濾胞周囲に存在する傍濾胞細胞(C細胞)から分泌される。
  • 血中カルシウムイオン濃度が上昇すると分泌が増加し、濃度が減少すると分泌が低下する。

ホルモン分泌調節

  • 低温刺激、深部体温の低下、ストレスなどにより、視床下部から甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンが分泌される。
  • 視床下部から分泌される甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)により、下垂体前葉から甲状腺刺激ホルモンが分泌される。
  • 下垂体前葉から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)により、甲状腺からのT4の分泌が亢進する。
  • T4は下垂体前葉および視床下部に対して負のフィードバック機能を持っており、両者のホルモン分泌を抑制する。
甲状腺ホルモン.jpg

  • 血液中に放出されたT4は、血中タンパク質(アルブミン、グロブリンなど)と結合し、一部が遊離する。これをそれぞれ結合型T4、fT4(非結合型T4)とよび、実際に細胞に取り込まれたり、フィードバック作用をもつのはfT4である。血液中のT4のほとんど(99.98%)は何らかのタンパクに結合しており、fT4はわずかに0.02%である。
  • fT4が細胞に取り込まれると、代謝され、活性型であるT3へと変換され、作用する。
甲状腺ホルモン2.jpg

作用

<T4>
  • 酸素消費増加作用
  • 拡張期血圧低下
  • 心拍数の増加
  • 脂質分解亢進
  • タンパク質合成の増加
  • 血糖値上昇
  • 血中遊離脂肪増加、グリセロール増加、コレステロール減少
  • 骨代謝の促進
  • 毛包および皮脂腺の開通性維持
  • 赤血球生成増加

<カルシトニン>
  • カルシウム濃度低下作用(骨吸収によるカルシウム濃度の上昇を抑制、尿中へのリンおよびカルシウムの排泄を促進)

関連疾病


関連薬


関連用語


文献(参考文献

  • 訓練前後の健康なソリ犬における甲状腺ホルモン濃度の変化
    Alterations in thyroid hormone concentrations in healthy sled dogs before and after athletic conditioning., Am J Vet Res 65[3]:333-7 2004 Mar, Evason MD, Carr AP, Taylor SM, Waldner CL
  • Potassium Bromide Effects on Thyroid Function and Morphology, Sm Anim Clin Endocrinol 14[1]:9-10 Jul 2004 Prospective Study 0 Refs, C. B. Chastain, DVM, MS, Dip ACVIM (Internal Medicine) Professor, Companion Animal Medicine and David Panciera, DVM, MS, Dip ACVIM (Internal Medicine) Professor, Small Animal Medicine , Paull LC, Scott-Moncrieff JCR, DeNicola DB, et al.; J Am Anim Hosp Assoc 2003;39:193-202


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  • 最終更新:2011-12-24 10:23:43

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