大静脈症候群

概説

  • 英名・略語:Caval syndrome, Venacava syndrome
  • 別名:犬糸状虫性血色素尿症、急性犬糸状虫症
  • 慢性の犬糸状虫症における致死的な病態。
  • フィラリア成虫は通常、犬の肺動脈に寄生しているが、何らかの原因によって肺動脈から右心系、大静脈へと変位すると、食欲不振、虚脱、ショックなどの致死的状態に陥る。

原因・要因

  • 以下の要因によって血行動態が変化することで発症すると考えられている。
    • フィラリアの多数寄生
    • フィラリア成虫の死滅虫体による肺動脈塞栓
    • 薬やショックなどによる血行動態の変化

統計

  • フィラリア陽性犬の多い地域では発症が多い。
  • 発症要因として、フィラリア成虫の多数寄生があげられるが、小型犬の場合には少数寄生でも発症する可能性がある。

病態

  • フィラリア成虫に感染している犬で、突然発症する。
  • 急な食欲不振、元気消失などが認められ、呼吸困難、血色素尿などの症状が現れる。
  • 病態が悪化すると死に至る可能性がある。

症状・徴候

  • 全ての症状は突然訪れる。
    • 食欲不振
    • 虚脱
    • 血色素尿
    • 呼吸困難
    • 脱水
    • 可視粘膜蒼白

臨床検査

  • 血液性化学検査
  • レントゲン検査
  • エコー検査
  • フィラリア抗原検査

診断

  • 突発性の特徴的症状、フィラリア寄生の有無、血漿の溶血所見、エコー検査、レントゲン検査の所見によって診断を行う。

治療

  • 外科的治療が第一選択となるが、麻酔のリスクが相当に高いため、麻酔中もしくは手術後に死亡する可能性がある。多くのフィラリアが絡まった状態でいるため、外科的処置でほとんどの成虫を駆除することができる。
  • 急性フィラリア症における急性心不全を乗り越えることで、病態が悪化しつつも生き残る個体もいる。

予後

  • 外科手術後、右心系の血行動態が改善されれば、予後は良好。

合併症

  • 肺水腫
  • 胸水
  • 溶血性貧血

関連薬


予防

  • フィラリア寄生犬での確実な予防法はない。

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関連用語


関連文献(参考文献



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  • 最終更新:2013-07-19 05:55:37

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