副腎皮質機能低下症

概説

  • 英名・略語:hypoadrenocorticism、韓国語名:애디슨병
  • 別名:アジソン病(Addison's disease)
  • 何らかの原因により、副腎皮質から分泌されるホルモンであるグルココルチコイドおよびミネラルコルチコイドの分泌不全が生じた状態を副腎皮質機能低下症と呼ぶ。
  • 若齢から中高齢の雌犬(平均4歳)に多く、スタンダード・プードル、ポルトガル・ウォーター・スパニエルでは遺伝的要因が関与していると考えられている。猫の発生は稀である。

原因・要因

  • 原発性副腎皮質機能低下症
  • 続発性副腎皮質機能低下症
    • ほとんどが医原性であり、ステロイド薬の過剰投与によるACTH分泌の減少および副腎皮質の萎縮が原因と考えられている。外因性グルココルチコイドの過剰投与が原因であるため、体内のグルココルチコイドのみが減少する特徴を持つ。また、稀ではあるが、下垂体機能不全によるACTH分泌不全の結果、副腎皮質機能低下症に陥る場合もある。

病態

  • 原発性副腎皮質機能低下症
    • おそらく免疫介在性の副腎皮質破壊が最初にあると考えられている。副腎皮質の約90%以上が破壊されると、臨床徴候が現れると考えられている。
    • 副腎の破壊が進むと、グルココルチコイドおよびミネラルコルチコイドの血中濃度が減少し、元気消失、食欲不振、嘔吐、体重減少などの消化器症状と精神状態の変化が現れ始める。
    • 副腎の破壊はゆっくり進むため、症状も始めは軽度である。また、ストレス環境下(ペットホテル、旅行など)では、症状が急激に悪化したり、よくなったりと、症状に波があることがある。
    • さらに副腎皮質の破壊が進むと、ちょっとしたストレスでも元気がなくなるようになり、脱水、徐脈、多飲多尿、腹痛などの症状が現れる。
    • ホルモンの予備能が限界に達すると、アジソンクリーゼというショック状態に陥る。
  • アジソンクリーゼ

症状

  • 元気消失
  • 食欲不振
  • 嘔吐、下痢
  • 体重減少
  • 虚弱
  • 症状はストレスの有無によって波がある

臨床検査

  • 血液検査
  • ACTH刺激試験
    • ACTH刺激後のコルチゾール濃度が2.0μg/dl未満であれば確定。
  • レントゲン検査
    • 小心症
    • 下行大動脈の扁平化
    • 細い後大静脈
  • 心電図
    • 徐脈
    • P波の平坦化
    • P-R間隔の延長
    • T波の先鋭化
  • 尿検査
    • 等張尿~高張尿(病態によって異なる)
  • 超音波検査
    • 副腎の萎縮

治療

  • 治療は、減少しているホルモンの補充が中心となる。通常、酢酸フルドロコルチゾンおよびプレドニゾロンによるホルモン補充療法がおこなわれる。
  • また、アジソンクリーゼである動物は、緊急治療として、輸液療法、即効性のグルココルチコイド、グルコースの投与などが必要になる。

関連薬


分類


関連用語


関連文献

  • Ultrasonographic evaluation of adrenal glands in dogs with primary hypoadrenocorticism or mimicking diseases., Vet Rec. 2010 Aug 7;167(6):207-10., Wenger M, Mueller C, Kook PH, Reusch CE.


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  • 最終更新:2012-01-27 19:51:00

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