レボチロキシンナトリウム

成分概要・作用機序

  • 英名:levothyroxine sodium
  • 別名:T4
  • 甲状腺ホルモン製剤であり、甲状腺機能低下症の第一選択薬として用いられている。
  • 投薬量は甲状腺ホルモン濃度の測定を行い、症状を確認しながら行う。
  • 通常、生涯にわたる投薬が必要になる。

カテゴリー


主に使用される疾病


主な薬品名

薬品名 剤型 成分量
チラージンS 錠剤 25μg/錠
50μg/錠
100μg/錠
レベンタ シロップ 1000μg/ml

投与量・投与目的

  • 甲状腺機能低下症
    • 犬:10-22μg/kg/SID-BID (p.o.)
    • 猫:50-100μg/head/SID (p.o.)
※初回投与から数週間後に甲状腺ホルモン血中濃度(T4)を測定し、投与量を調節していく必要がある。

副作用

  • 頻脈
  • 多食
  • 多飲多尿
  • 興奮
  • パンティング
  • 無関心(猫)

薬物相互作用

  • 交感神経刺激薬の作用増強する可能性がある。
  • ケタミンと併用すると高血圧、頻脈になる可能性がある。
  • インスリンの反応性を高める可能性がある。
  • ステロイド薬と併用することでT4からT3への代謝が減少する可能性がある。
  • 制酸薬スクラルファートと同時に投与すると、本剤の吸収が低下する可能性がある。
  • フェノバルビタールと併用すると、チロキシンの代謝を亢進させる可能性がある。

主な注意事項

  • 個体によって吸収や代謝が異なるため、定期的なT4測定が必要。
  • 副腎皮質機能低下症を伴う場合には先に副腎の治療を行い、注意して投薬を行う必要がある。
  • 心疾患をもつ動物に対しては注意して投与する。
  • 甲状腺ホルモン中毒に注意する。
  • 食事(特に高線維食)と同時に投与すると本剤の吸収が低下する。

関連文献(参考文献

  • 甲状腺機能低下症の治療モニタリング
    Treatment and Therapeutic Monitoring of Hypothyroidism, Sm Anim Clin Endocrinol 13[1]:14-15 Jan 2003 Review Article 0 Refs, C. B. Chastain, DVM, MS, Dip ACVIM (Internal Medicine) & Dave Panciera, DVM, MS, Dip ACVIM (Internal Medicine)
Dixon RM, Reid SWJ, Mooney CT.

関連用語



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  • 最終更新:2011-12-16 11:10:53

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