ラニチジン
成分概要・作用機序
- 英名:Ranitidine
- 別名:ラニチジン塩酸塩
- ラニチジンは胃酸分泌を抑制する胃薬の一種である。胃粘膜上皮細胞の一種である胃の壁細胞は3種類の受容体によって胃酸の分泌が制御されている。その受容体の1つがH2受容体(ヒスタミン受容体)であり、このH2受容体に拮抗し、胃酸分泌を抑制する。
- 胃酸分泌を抑制することで消化性潰瘍の症状軽減、予防や制吐効果を期待して処方される。
- ラニチジンにはさらに抗コリンエステラーゼ作用があるため、胃酸分泌抑制とともに消化管運動改善機能も存在すると考えられている。
- シメチジンと比べ副作用は少なく、薬物相互作用も少ない。また、胃酸抑制効果も高いため使用される頻度が高いと考えられる。
カテゴリー
主に使用される疾病
主な薬品名
薬品名 | 剤型 | 成分量 |
---|---|---|
ザンタック | 錠剤 | 75mg/錠 150mg/錠 |
注射 | 50mg/2ml 100mg/2ml |
|
ツルデック | 錠剤 | 75mg/錠 150mg/錠 |
ブラウリベラ | 錠剤 | 75mg/錠 150mg/錠 |
ラデン | 錠剤 | 75mg/錠 150mg/錠 |
ラニザック | 錠剤 | 75mg/錠 150mg/錠 |
ラニタック | 錠剤 | 75mg/錠 150mg/錠 |
ラニチザン | 錠剤 | 75mg/錠 150mg/錠 |
投与量・投与目的
- 胃酸分泌抑制
- 犬:0.5-2.0mg/kg/q8-12h, (p.o., s.c., i.v.)
- 猫:1.0-2.0mg/kg/q8-12h, (p.o., s.c., i.v.)
副作用
- 非常に少ない
- 注射部位の疼痛(筋肉注射)
- 嘔吐(静脈注射)
薬物相互作用
- アセトアミノフェンの代謝を抑制する可能性がある。
- 制酸薬と同時に投薬するとラニチジンの吸収が低下する可能性がある。
- ケトコナゾール、イトラコナゾールの吸収が減少する可能性がある。
- メトプロロールの半減期が遅延する可能性がある。
- 長期的なラニチジン服用により、ビタミンB12の吸収を減少させる可能性がある。
主な注意事項
関連文献(参考文献)
関連用語
※注意事項
- この記録はは専門書・学会・臨床経験を参考に作られた資料です。
- 可能な限り、最新情報、文献に基づいた資料作りをしていく予定ですが、実際の使用方法については各々の責任において判断してください。
- 獣医師ひとりひとり、考え方、技量は異なり、すべての臨床の場での適応を推奨するものでは絶対にありません。
- 動物医療の場では、薬剤は犬用、猫用もまれにありますが、殆どが人用の薬剤の応用です。ここに記載されている効能、効果、用法、用量、使用禁止期間など一部、すべては日本では承認されていない情報であることをあらかじめ、ご了承ください。
- 獣医師・オーナーさんがこの記録を参考にされることはかまいませんが、成果の責任は各自の自己責任にてお願い致します。
- 現在治療されている動物病院での処方内容についての疑問点は、各動物病院に詳細をおたずね下さい。
- また、このページからの薬の販売、郵送は出来ませんので、ご了承下さい。
- 記載内容の間違い等ございましたら、ご意見・ご要望ページからお願いします。
※2009年より順次更新中です。ページによってはまだ空白のものもあますが、今後徐々に改定していく予定です。
- 最終更新:2012-01-21 17:52:15