ドキソルビシン

概要・作用機序

  • 英名:doxorubicin
  • 略称:DOX, ADM, A(アドリアマイシン), H(ハイドロキシダウノルビシン)
  • 別名:アドリアマイシン、ハイドロキシダウノルビシン
  • アントラサイクリン系に属する抗腫瘍抗生物質。
  • 作用機序は、トポイソメラーゼⅡとの相互作用により、フリーラジカルを産生することでDNAを破壊する。細胞周期依存性であり、最大効果はS期であると考えられている。肝臓で代謝され、胆汁を介して排泄される。
  • 比較的多くの種類の悪性腫瘍に効果があり、積極的に使われているが、副作用が多く、蓄積性の心毒性があるため、使用に制限がある。

分類


主に使用される疾病


主な薬品名・成分量

  • アドリアシン:ドキソルビシン10mg/バイアル

投与量・投与目的

  • 大型犬(10kg以上):30mg/m2,3週間毎, (i.v.)
  • 小型犬(10kg以下):1mg/kg, 3週間毎, (i.v.)
  • 猫:1mg/kg または20-25mg/m2, 3週間毎(i.v.)
※25-100mlの生理食塩水に希釈し、20~60分かけて投与する。

副作用

  • 骨髄抑制
  • 胃腸障害
  • 蓄積性心筋障害:生涯投与量が180mg/m2を超えると高率で発現。
  • 脱毛:プードル、シュナウザー、テリアなどの常に毛が伸び続ける犬種に多い。
  • 皮膚色素沈着
  • 過敏症反応
  • 血管外漏出による組織壊死
  • 食欲不振、体重減少(猫:生涯投与量150mg/m2以上で発現)
  • 腎毒性(猫)
  • ヒゲの喪失(猫)

薬物相互作用


主な注意事項

  • 骨髄抑制による好中球減少症からSIRSへと移行することがある。
  • 血管外漏出を生じると、周辺組織が壊死するため注意が必要。
  • 胆汁排泄のため、総ビリルビン値が高い場合には投薬量を減量する。
  • 投与前にステロイド薬および抗ヒスタミン薬を投与することで副作用を軽減できる。
  • 心収縮率(FS)が28%以下の動物への投与は投薬しない。
  • 生涯投与量である180mg/m2を超えると心毒性リスクが増強する。

関連文献

  • 犬におけるドキソルビシン化学療法後の突然死
    Sudden death in a dog after doxorubicin chemotherapy. , Vet Pathol. September 2011;48(5):1035-7. , B Banco; V Grieco; F Servida; C Giudice
  • 犬のリンパ腫に対するドキソルビシンおよびシクロフォスファミドによる治療:無作為化プラセボ対照試験
    Doxorubicin and cyclophosphamide for the treatment of canine lymphoma: a randomized, placebo-controlled study, Veterinary and Comparative Oncology Volume 8, Issue 3, pages 188-195, September 2010, J. C. Lori, T. J. Stein, D. H. Thamm
  • 猫において、ドキソルビシンを2種類の投与量で投与した場合の毒性の比較
    A comparison of toxicity of two dosing schemes for doxorubicin in the cat., J Feline Med Surg. 2008 Apr 21. [Epub ahead of print] , Reiman RA, Mauldin GE, Neal Mauldin G.
  • 四肢骨肉腫の切除後に微小転移が存在した犬に対するカルボプラチンおよびドキソルビシンの交互投与(50症例)
    Use of alternating administration of carboplatin and doxorubicin in dogs with microscopic metastases after amputation for appendicular osteosarcoma: 50 cases (1999-2006). , J Am Vet Med Assoc. 2008 May 15;232(10):1504-10., Bacon NJ, Ehrhart NP, Dernell WS, Lafferty M, Withrow SJ.
  • Systemic toxicity associated with doxorubicin administration in cats., O'Keefe DA, Sisson DD, Gelberg HB, Schaeffer DJ, Krawiec DR., J Vet Intern Med. 1993 Sep-Oct;7(5):309-17.
  • Doxorubicin for treatment of canine lymphosarcoma after development of resistance to combination chemotherapy., Calvert CA, Leifer CE., J Am Vet Med Assoc. 1981 Nov 15;179(10):1011-2.
  • Amputation and doxorubicin for treatment of canine and feline osteogenic sarcoma., Madewell BR, Leighton RL, Theilen GH., Eur J Cancer. 1978 Mar;14(3):287-93.

関連用語



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  • 最終更新:2011-11-21 19:37:45

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