チョコレート中毒

概説

  • 英名・略語:chocolate intoxication
  • 別名:メチルキサンチン中毒、カフェイン中毒、テオブロミン中毒
  • チョコレート製品に含まれるカフェイン、テオブロミンなどのメチルキサンチンを摂取することによって発生する中毒。
  • 犬は、テオブロミンに対する半減期が長いため、中毒症状が現れやすい。猫はあまり好んで食べないため、発生頻度は少ない。

中毒物質

<中毒物質>
  • チョコレート
  • チョコレートを含有する食品
  • カカオ製品(ココアなど)

<中毒量>
  • メチルキサンチン総量(カフェイン総量+テオブロミン総量)として、100-200mg/kg以上で中毒症状が発生すると考えられる。
  • メチルキサンチン総量20mg/kgでも、嘔吐などの軽い症状が発生する可能性がある。
  • LD50はおよそ240-500mg/kgと考えられている。
  • カカオ分の量から計算すると、チロルチョコ(製品)にはおよそ17mgのメチルキサンチン(うちテオブロミン14.4mg)が存在すると考えられる。
  • カカオ50%のチョコレートには、およそ0.7mg/gのメチルキサンチンが含まれると考えられる。

病態

  • 摂取後1~4時間で臨床徴候が発現する。
  • 初期の臨床徴候は嘔吐、下痢などであり、メチルキサンチンの摂取量に応じて、興奮、痙攣、不整脈などが発生する。
  • 症状はテオブロミンの半減期である72時間後まで認められる。
  • 多量に摂取した場合には、72時間以内に死亡する可能性もある。

症状・徴候

<消化器症状>

<中枢神経症状>
  • 興奮、過活動
  • 不隠
  • 運動失調
  • 痙攣
  • 昏睡

<循環器症状>

<その他>
  • 高体温

臨床検査


診断

  • チョコレート製品の摂取歴および症状から暫定診断

治療

<解毒>
  • 特異的な解毒薬はない。

<排泄促進>
  • 動物の状態によって催吐、胃洗浄、下剤投与、活性炭製剤投与を行う。
  • 尿中からの排泄を促進させるため、輸液剤の投与を行う。
  • 膀胱からのメチルキサンチン再吸収を防ぐために、尿道カテーテルを設置する場合がある。

<その他の治療>
  • 痙攣が見られる場合は、鎮静薬としてジアゼパム、ペントバルビタール、もしくはプロポフォールを使用する。
  • 不整脈が見られる場合は、必要に応じてリドカインの投与が行われる。
  • 頻脈に対してβ-ブロッカーの投与、徐脈に対してアトロピンの投与が行われることがある。
  • 消化器症状の緩和を目的として胃薬を投与することがある。

<禁忌>
  • 尿へのメチルキサンチン排出を妨げるため、エリスロマイシン、ステロイド薬の投与はしない。
  • メチルキサンチン誘導体であるテオフィリンの投与を避ける。

関連薬


予後

  • チョコレートを摂取してから72時間経過したところで症状が安定していれば予後良好。

カテゴリー


関連用語


関連文献(参考文献



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  • 最終更新:2011-11-19 10:33:09

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