セフェム系

概説

  • 別名:セファロスポリン系、セフェム系抗生物質
  • ペニシリン系と同じくβ-ラクタム系に分類され、細菌細胞壁の成分であるペプチドグリカン合成を阻害することにより抗菌作用を示す。β-ラクタム系二分類されるため、β-ラクタマーゼを持つ細菌には効果がないものが多い。
  • 抗菌スペクトルが広く、殺菌的に効果を示すため多くの疾患で使用されている。
  • セフェム系は開発された時期によりセファロスポリン系4世代、セファマイシン系、オキサセフェム系に分類されており、獣医領域で広く使われているセファレキシン、セファゾリンは第1世代のセフェム系である。
  • 第一世代セフェム系はグラム陽性菌を中心に効果を示し、それ以降の世代では、グラム陰性菌や嫌気性菌にも強い抗菌力を発揮する。
※ウサギ、げっ歯類では投薬に注意が必要(ウサギ、げっ歯類における抗菌薬の使用

各種薬剤成分

  • 第一世代セフェム系
    1960年代に登場した抗菌薬で、β-ラクタマーゼよって容易に分解され失活する。グラム陽性球菌(腸球菌を除く)、クレブシエラ、大腸菌、Proteus mirabilisなどのグラム陰件悍菌にも若干の抗菌力を示す。緑膿菌など抗菌力を示さない。
    セファゾリン、セファレキシンなどがある。

  • 第二世代セフェム系
    1970年代に登場した抗菌薬であり、第一世代に比べてβ-ラクタマーゼに対する安定性が高い。また、グラム陰性菌に対する効果が第一世代に比べて増強されているが、グラム陽性菌に対する効果は減少している。
    緑膿菌に対する効果は低いが、例外的にセフスロジンは効果を示す。

  • 第三世代セフェム系
    1970年代後半から1980年代にかけて登場した抗菌薬。前世代よりもさらにβ-ラクタマーゼに対して安定性が強い。

  • 第四世代セフェム系
    第三世代の抗菌スペクトラムにさらにグラム陽性球菌への抗菌力が増強されたもの。β-ラクタマーゼに対する安定性も第三世代よりも高いと考えられている。



カテゴリー


グラム陽性菌に対するセフェム系の抗菌スペクトル

抗菌薬 A B C D E
セフェム系 セファレキシン + + - + -
セフラジン + + - - -
セファクロル + + - + +
セファドキシル + + - - -
セファロチン + + - + -
セファゾリン + + - + -
セファピリン + + - + -
セフロキシム + + - + -
セフォキシチン - - - - -
セフィキシム - + - - -
セフォタキシム + + + + +
セフタジチム + + - - -
セフォベジン + + - - +
  • 表記の見方
    •  +:有効菌腫
    •  -:非有効菌腫
  • グラム陽性菌
    • A:Staphylococcus
    • B:Streptococcus
    • C:Enterococcus
    • D:Corynebacterium
    • E:Clostridium

グラム陰性菌に対するセフェム系の抗菌スペクトル

抗菌薬 F G H I J K L M N
セフェム系 セファレキシン + + + - - - - - -
セフラジン + - + - - - - - -
セファクロル + + + - - - - - -
セファドキシル + - + - - - - - -
セファロチン + + + - - - - - -
セファゾリン + + + - - + - - -
セファピリン - - - - - - - - -
セフロキシム + - - - - - - - -
セフォキシチン + - + - - - - - -
セフィキシム + - + - - - - - -
セフォタキシム + + + + - - - - -
セフタジチム + + + + - - - - -
セフォベジン + - + - - + - - -
  • 表記の見方
    •  +:有効菌腫
    •  -:非有効菌腫
  • グラム陰性菌
    • F:大腸菌
    • G:サルモネラ
    • H:Proteus
    • I:Bordetella
    • J:Pseudomonas
    • K:Pasteurella
    • L:Mycoplasma
    • M:Rickettsia, Clamydia
    • N:Leptospira


※注意事項
  • この記録はは専門書・学会・臨床経験を参考に作られた資料です。
  • 可能な限り、最新情報、文献に基づいた資料作りをしていく予定ですが、実際の使用方法については各々の責任において判断してください。
  • 獣医師ひとりひとり、考え方、技量は異なり、すべての臨床の場での適応を推奨するもので絶対にはありません
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 ※2009年より順次更新中です。ページによってはまだ空白のものもあますが、今後徐々に改定していく予定です。ご期待下さい。

  • 最終更新:2012-10-16 06:05:26

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