高脂血症
概説
- 英名・略語:Hyperlipidemia
- 別名:高コレステロール血症、高トリグリセリド血症
- 高脂血症とは、血液中のコレステロール濃度もしくはトリグリセリド濃度の一方もしくは両方が異常に増加した状態である。
- 食後などにみられる一過性の高脂血症や、原発性高脂血症、続発性高脂血症などが存在する。
- 高脂血症はリポ蛋白の分析により再分類され、原因をある程度特定することが可能である。
原因・要因
統計
- ミニチュア・シュナウザー、シェットランド・シープドッグなどは、原発性高脂血症の好発犬種である。
細分類
- 発生原因による分類
- 原発性高脂血症
おそらく遺伝的に発症するであろう高脂血症。好発犬種では比較的多くみられる。- 特発性高リポ蛋白血症
- 特発性高カイロミクロン血症
- リポ蛋白リパーゼ欠損症
- 特発性高コレステロール血症
- 続発性高脂血症
糖尿病、副腎皮質機能亢進症などに続発してみられる高脂血症。
- 原発性高脂血症
- ヒトの高脂血症分類
増加するリポ蛋白質の種類によって分類する方法。犬、猫の分類はこれをほぼ踏襲している。- Ⅰ型
- Ⅱa型
- Ⅱb型
- Ⅲ型
症状・病態
- 高脂血症は無症状の場合も多い。潜在的に神経疾患や膵炎を併発しやすいと考えられている。
- 高脂血症には以下の症状が認められることがある。
- 発作
- 失明
- 腹痛
- 食欲不振
- 嘔吐
- 下痢
- 行動の変化
- ブドウ膜炎
- 黄色腫
- 末梢神経障害
臨床検査
- 血液生化学検査
- リポ蛋白分析
血液中にあるリポ蛋白を分析し増加しているリポ蛋白の種類によって分類する方法。この方法によりⅠ型からⅤ型まで分類可能。
診断
- 血液生化学検査において高コレステロール血症もしくは高トリグリセリド血症が認められることにより診断。
治療
- 原因疾患がある場合にはそちらの治療を行う。
- 原発性高脂血症に対しては食事療法、薬物療法がおこなわれる。
<食事療法>
- 低脂肪、高線維食を与える
- 脂肪含有量の多い食事を与えない
<薬物療法>
- プラバスタチンナトリウムの投与
- フェノフィブラートの投与
- クリノフィブラートの投与
関連薬
- スタチン
予防
カテゴリー
関連用語
関連文献(参考文献)
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- 最終更新:2011-10-28 17:47:40