嘔吐
概説
- 英名・略語:vomit, emesis
- 何らかの原因(消化器系疾患、中枢神経系の疾患など)により、嘔吐中枢が刺激を受け、胃から逆蠕動を伴って消化物が逆流してくることを嘔吐という。胃内からの逆流ではなく、食道からの異物の逆流を吐出といい、嘔吐と区別している。
- 嘔吐は様々な原因によって発生し、小動物臨床現場において来院数の多い疾病でもある。
- 症状や臨床所見に応じて検査、治療がおこなわれる。
原因・要因
- 嘔吐の原因や要因となるものは多岐にわたるため、以下に書かれている原因以外にも発生しうる。
- 食事性
- 食事内容の急激な変化
- 食物アレルギー
- 薬物性
- 代謝性
- 糖尿病性ケトアシドーシス
- 尿毒症
- 肝不全
- 消化器疾患
- 胃内異物
- 出血性胃腸炎
- 腸閉塞
- 胃拡張胃捻転症候群
- 腹腔内疾患
- 膵炎
- 子宮蓄膿症
- 泌尿器疾患
- 腎不全
- 慢性腎臓病
- 内分泌疾患
- 中毒
- 中枢神経系疾患
- 前庭疾患
- 特発性前庭疾患
- 動揺病(乗り物酔い)
- 感染症
- その他
- 心因性
- 頭部外傷
統計
- 犬、猫では比較的嘔吐しやすい傾向にある
- それに対し、ウサギ、フェレットなどはほとんどもしくは全く嘔吐しない。
診断
- 嘔吐との鑑別が必要な疾患として、吐出、嚥下困難、発咳などがある。
- 吐物の内容やpH、嘔吐時における動物の様子、全身状態などから鑑別する。
- 嘔吐反応に特徴的な動きとして、頭や首を下に下げたり、横隔膜の上下運動が何回か生じる。
治療
- 治療は対症療法を行いつつ、原因の特定をする。
- 嘔吐に対する対症療法は症状によって様々であるが、一般的に、輸液、胃薬、制吐薬、消化管運動機能改善薬などの投薬が行われる。
合併症
- 脱水
- 低カリウム血症
関連薬
カテゴリー
関連用語
- 嘔吐中枢
- 嘔吐反射
- 嘔吐に関係する受容体
関連文献(参考文献)
※注意事項
- この記録はは専門書・学会・臨床経験を参考に作られた資料です。
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- 獣医師ひとりひとり、考え方、技量は異なり、すべての臨床の場での適応を推奨するものでは絶対にありません。
- 動物医療の場では、薬剤は犬用、猫用もまれにありますが、殆どが人用の薬剤の応用です。ここに記載されている効能、効果、用法、用量、使用禁止期間など一部、すべては日本では承認されていない情報であることをあらかじめ、ご了承ください。
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- 最終更新:2011-11-26 16:52:54